2014年11月

たまには大阪の歴史もご案内しましょう。

今住んでいるのは阿倍野から阪堺電車(チンチン電車)で7分ぐらいの駅ですが、さらにそこから30分ぐらい電車に乗って、歴史のまち「堺」と仁徳天皇陵古墳、大仙公園を散歩してきました。

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阪堺電車「宿院駅」を降りると、まず、与謝野晶子生家跡が出迎えてくれます。ちなみに私は、大阪府立大学 中百舌鳥(なかもず)キャンパスのすぐ隣に父が買った家で生まれ、幼稚園まで過ごしました。

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ここから5分ぐらい歩くと、豪商魚屋の長男として生まれた千利休の屋敷跡が見えてきます。現在工事中のため、フェンスごしに撮影。この向いには平成27年3月完成予定の観光施設「さかい利晶の杜」を建設中。昔に比べて閑散としているこの街に、多くの観光客が来ることでしょう。

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そのすぐ隣に、創業300年以上の蕎麦屋「ちく満(ちくま)」があります。何とも言えない温かいせいろが名物、一度お試しあれ。

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さらに15分ほど歩くと、伝説の徳川家康の墓で知られる「南宗寺」があります。

ここから東に進み、世界文化遺産登録を目指す「百舌鳥・古市古墳群」で最大級の「仁徳天皇陵古墳」に向いました。古墳周辺は紅葉真っ盛り。

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百舌鳥古墳群は堺市の東西南北約4kmに広がり、当時100基以上あった古墳のうち、44基が現存。

その古墳群の中で、5世紀に造られた「仁徳天皇陵古墳」は世界三大墳墓の一つとされ、全長は486m。クフのピラミッド230m、秦の始皇帝陵350mを超える巨大さ!

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鍵穴の下側の切れている白い部分に私はいます↓ そばで見るとただの山(笑)

この古墳を造るのに、一日2000人が作業したとして、15年8ヶ月もかかるのだとか!すごいパワースポットでしょ?

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当時はこんな感じだったらしい。赤いのが埴輪(はにわ)で、その数29,000体!盛り土する人、石を積み上げる人もそりゃ大変だけど、埴輪を造る人も地味にしんどかったはず。

埴輪を並べる人も気を抜けない。足がぶつかろうものなら、一周3kmもドミノ倒しですからね。ちゃうか。

ちなみに堺は刃物の街としても有名ですが、古墳造りのための鍬や鋤が大量に必要だったため、鍛冶職人が集まって住み着いたのが起源なのだそう。戦国時代は鉄砲も生産。

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古墳の向いには、81haという広大な「大仙公園」があり、堺市博物館や日本庭園、茶室「黄梅庵」のほか、小さな古墳もいくつか有しています。

なんだか日本じゃないみたいでしょ?

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でも日本なのです。なぜなら・・・

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あちこちに阪田三吉がいるから!ザ・大阪な風景。

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平和すぎるよ、大阪。今日もいっぱい笑えました。

ブログを見てくれている友人がみんな言います。

「なんだぁ、大阪楽しそうじゃん」
「ゆりさんはいいねぇ、どこ行っても楽しめる性格で」

いやいや、空元気ですってば。

いっぺんに友達がいなくなるって、ポッカリ穴が空いたような虚無感ですよホント。一人で楽しむにも限界ありますしねぇ。寂しい夜はウクレレをポロンと弾いてみたり。

だから大阪出張が入ったと友達から連絡がくれば、メンソーレと書いた旗を振ってお出迎えです。というわけで、先日、出張に来られた東京の飲み友さんと、北新地の雑居ビルに隠れる「寿し おおはた」に行ってきました。

昨今は大阪でも、江戸前鮨が浸透していて、自分としてはこれ以上喜ばしいことはありません。けれど関西にも、刺身に対する根強い食文化があります。

それがこの鯛の刺身。ネットリと熟成させた刺身を好む関東と違い、歯ごたえを重視する関西では、死後硬直でブリンブリンに活かってる刺身によく出くわしますが、これもそう。個人的には、さらなる熟成でイノシン酸の旨味が出始め、それがほど良い歯ごたえと、いい塩梅でつり合った頃が最高のタイミングだと思うのですが。

けれどこの食文化のおかげで、いつも超新鮮な活魚を「あべ近」でゲットできてるのも事実でして。先日も、丸々とした大きな天然カンパチのブロックを購入したのですが、自分好みの旨味が出るまで、熟成に4日もかかりました。

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おまかせでお願いしたのですが、とにかくツマミのボリュームがすごくて、折角の握りが満腹であまり楽しめませんでした。帰り際に「ボリュームすごいでしょ」とおっしゃってましたが、それならそうと、女性には最初に説明がほしいものです。茶わん蒸しに、大きなブリの照り焼きと甘辛系のツマミが続き、厚めに切った鰹の刺身や、松茸の土瓶蒸しなど。

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握りはやや大き目ですが、とてもイイです。しっかりとした赤酢の酢飯とネタが、口の中でバランス良く融け合い、とても官能的。小肌、ブリ、白エビ。

10貫ほどお腹はち切れそうなほどいただき・・・

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とどめは雲丹とイクラのミニ丼。旨いけどもう無理っす。一口食べて飲み友さんに託しました。最後の穴子はパス。

次回来る時は、珍味を1,2品だけお願いし、すぐ握ってもらうことにしよう。握りはお薦めです。

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さて毎回恒例の「お薦めのバーを紹介してください」のコーナー!わ~パチパチパチ。

一軒目の鮨屋でご紹介いただき向かったバーが、画像左手の「椅子に座ったNEKOO」。大阪にはこんな詩的な名前のラブホテルをよく見かけますけどね。

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昨年あたりからカクテルにハマってるのですが、このコーナー始まって以来、ついに素晴らしいバーテンダーに出会うことができました。私が無理矢理飲ませてからというもの、飲み友さんもフルーツカクテルに夢中。

この桃を使った濃厚なベリーニもさることながら、飲み友さん用に作ってくれた、生のマスカットと洋梨フレーバードウォッカのカクテルが特に神がかっており、二人で取り合いしましたよ。ギムレットやジントニックなど定番カクテルも飲み疲れず、どれもキラッと光るものがありました。

料理のメニューも和洋に対応できるらしく、夜食目当ての同伴客も数組いました。椅子に座ったネコみたいに落ち着けます。寂しくなったらここに来ようっと。

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寿し おおはた
TEL 06-6348-8877
大阪府大阪市北区堂島1-4-8 廣ビル 2F

DINING BAR 椅子に座ったNEKOO
TEL 06-6346-2688
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-2-3 サントビル 1F


 

高校生の時に追っかけてたダウンタウンや今ちゃんは、今も大阪の深夜番組に出ていて、東京とは違う普段着で好き放題喋ってる。楽しいんだろなぁと微笑ましくなります。

大阪は本当にフザケた街。ここで生まれたんだから、もっと遊び心を持とうぜ!と自分にいつも言い聞かせてます。

飲食店の名前もフザケてますよ。イタリアン「ダ・オーレ」とか、酒処「燗の美穂」とか。そういう自分も「ヴァンごはん」とか言っちゃってますけど(笑)

先月の話ですが、これまた20年ぶりに、夜のミナミをさまよってきました。

新宿歌舞伎町は1,2度しか行ったことないけれど、ここもまさにそんな感じ。不良っぽい人がウヨウヨいます。通りが狭くて、雑居ビルにはすごい数の店がひしめいている。

ミナミに詳しい地元の男友達と飲むことになり、あえてここを選んでみました。

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店名からアットホームな印象を受けた「粋な料理 ひろと」をチョイスしたのですが、5千円コースに7品と食事がついて超お得でした。この価格帯、大阪は強い!

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ただ、大阪は東京に比べて、完全禁煙の店がまだまだ少ない。ここも喫煙可なので、半個室を予約するしかないのかな。

松茸の土瓶蒸し

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それにしても大阪は誰も彼もが芸人です。このテンポ懐かしい。ちなみに全員初対面。

友達「大将も飲んでや、兄ちゃんも飲んでや」
大将「すんません、ごちそうさんです」
友達「ほんで、隣のお父さんにツケといて」
隣の客「なんでやねん!」

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〆は和牛。甘い和風ソースにタスマニア産マスタードがよく合う。

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恒例の「お薦めバーを紹介してください」のコーナー。一軒目で紹介されてやって来たのはバー「KI-KU(キク)」。学生の頃から買い集めたという洋楽のレコードが所狭しと並ぶ。

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その後、友達が行こうと言うのでオカマショーハウス「ベティのマヨネーズ」に行きました。夜遊びスポットといえば、六本木のものまねハウス「スター」ぐらいしか行ったことないので、これは貴重な初体験。

それにしても、私が20代の頃に一斉風靡した「ベティのマヨネーズ」がまだあったとはね~。テレビで見たことあるママもあんこちゃんもお元気そうで、何も変わっていない大阪にジ~ンときました。そんな私の胸中も知らずに、いろんな所を見せられ、触らされました。

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この右のミチルちゃんの友達がやってるバーに、この後流れました。「Kokurage(コクラゲ)」という紹介制の上品なオカマバーで、ママのりか子さんが韓流女優みたいに美形で、ややポッチャリ系。男はたまらん系。

話すと、マツコみたいに誠実で包容力があって、思わず意気投合。友達が、サウナ行きたいからもう帰るわと拗ねるほど、まったり語り合ってしまいました。これって私、完全にハマッてますよね!?


粋な料理 ひろと
TEL 06-6244-2626
大阪府大阪市中央区東心斎橋1-16-20 ガレリア・アッカ 3F










 

ちょっといろいろありまして、年明けにまた引っ越す予定です。今度は長く落ち着ける所へ。「あべのハルカス近鉄本店」(略してあべ近)からは離れられないので、天王寺区が有力候補。

昨日のあべ近の鮮魚売場も凄かった。松葉蟹、セコ蟹が並んだ売り場で口を開けたまま数分見とれていました。で、結局購入したのは、天然のブラックタイガー15尾880円!天然ですよ、天然!(お前だよって?)築地でしか見たことない。あべ近、いつもありがとう!

仕入れたブツは、海老カクテルと、トマトクリームのパスタにしてやっつけておきました。なんせ今、癒し系のキャンティクラシコにハマってますのでね。

さて先日、ずっと気になってた鮨屋に行ってきました。場所は不動前と戸越銀座のちょうど中間あたり、路地裏にひっそり隠れる「なかのや」です。ご主人は以前、珍味のオンパレードで有名な下目黒「いずみ」に長年おられ、二年前に独立されました。

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鮨屋とはそういうもんでしょうけど、この店からも、常連と来た方が楽しめるであろう匂いがしてなりませんでしたが、仕方なく一見客二人で向いました。そのせいでしょうか、予想より珍味は少な目でしたが、ツマミをちょこちょこ沢山出してくれるので、酒飲みには極楽。鮨屋には珍しく生酒も数種置いてましたが、珍味系がお得意ならアリでしょう。

悪酔いしないよう、魚のアラと貝のヒモでとった上品な吸物を、まず最初に出してくれるのですが、それをいただくと、この店の細やかな仕事ぶりが手に取るようです。

鯖、鯵、ミル貝、べっ甲卵とマナガツオ、くちこ、イクラ醤油漬け・・・等々。白身魚の高級魚マナガツオは、もう東京でも珍しくなくなりました。変な風貌からは想像できない、絹のような肌理と上品な甘味。

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自分の好みとは異なる優しめの酢飯ですが、ほどよく寝かせた、引き算の美学すら感じる繊細なネタをうまく引き立てており、新たな握りに出会えた悦びを感じました。握りの写真はほんの一部。

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鶏卵の酢おぼろで漬けた小鯛の繊細な旨味。

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大トロはどうでもいいが、ヅケに目がない。

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甘いツメと穴子が得意でない私は、最後に毎回テンション下がるのですが、ここは違う。しっかり脂が抜けて、キリリとした実に清々しい穴子。蔵前「幸酢」でいただいた江戸前の穴子も旨かったけど。

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ミル貝のヒモきゅーで〆。やっぱり赤貝だな。

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二人でビールと日本酒5合で3.4万。とても落ち着けるカウンターですが、奥に部屋があり、5歳の息子さんがテレビを見ながら、ずっと何か喋ってるのが人によっては気になるかも。

息子さんが最後見送ってくれたので、「よく喋るねぇー」と嫌味を言ったら、「毎度ありがとうございます!」と可愛い笑顔で返されてオバチャンの負け。子供はずるい。

なかのや
TEL 03-6417-4180
東京都品川区西五反田6-22-11





 

遠方の方が結構多くて、今回ご都合が合わず少人数からスタートした「第一回Vin Gohan大阪」でしたが、お陰様で大変盛り上がりました。

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ワイン会の後、いつもいろんな嬉しいメールをいただくのですが、今回は川柳を詠んでくださった方がいたのでご紹介させていただきますね。奥様と参加してくださったYさんからのメールです。産経俳壇によく掲載されている常連さんらしいです。

先日は大変楽しいひと時をありがとうございました。
長い間人間をやってきまして、毎回毎回おいしいワインを夫婦そろって頂く至福が、この上ない幸せです。
説明を受けながらワインを頂いている時は、なるほどと思いながら、覚えておかねばと思いながら、でも飲み終わったら申し訳ありませんが、記憶には全く残っていません。
でも舌先から、舌の上から、舌の奥から、味わったワインの味は、根っからの酒のみですのでよく覚えています。
お料理も美味しかったです。
次はお寿司とか・・・すごい期待しています。
和食に合う美味しいワインをご紹介ください。
 
オスピスの1983年は、これまでに味わったことのない深い深い味わいがありました。深いけど重くない、なんとも言えぬ味わいでした。
 
古酒ワイン澱が語っているドラマ
古酒ワイン静かに澱が語りだす
古酒ワイン歴史の深いふかい味
育んだ真っ赤な愛がルビの彩
 
ありがとうございました。

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会の直前に急きょ、オリが大量に沈殿した透き通るルビー色の「オスピスドボーヌ キュベ・モーリスドルーアン83」に変更したのですが、素晴らしい熟成に皆さん一番感動されていました。個人的にはサヴィニーのセルパンティエール97が、しなかやで、ベリーやミネラルの風味に、ムスクや出汁が合わさり、今まさに五感を喜ばせる熟成ピークにあると感じました。白も狙い通り、時間内に最大限の個性を発揮してくれ、いろんなご意見が飛び交いました。

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◇Rully 1er Cru Clos Saint Jacques Blanc 2010 / la Folie
(リュリー 一級 クロサンジャック2010 / ラ・フォーリー)
ラ・フォーリーはリュリー村のトップ生産者で、現当主で五代目。この畑はドメーヌのモノポール。レモンの香りと気品があり、コート・ドールの白と比べても遜色ない。

◇Chassagne Montrachet 1er Cru Les Chaumees 2011 / Jean Noel Gagnard
(シャサーニュ・モンラッシェ 一級 レ・ショーメ2011 / ジャン・ノエル・ガニャール)
シャサーニュ・モンラッシェ村で1632年から続く由緒ある家系で、ジャン・ノエル・ガニャール氏が両親から受け継ぎ1960年からスタート、1989年から娘が継いでいる。モンラッシェ系の白ワインでは屈指の生産者。一級畑ショーメからエレガントなワインが生まれる。

◆Savigny le Beaune 1er Cru Serpentiers V.V. 2009 / Michel & Joanna Ecard
父のモーリス・エカールが引退し、所有する畑の3/4を手放したが、残りの畑を息子のミシェルと妻のジョアンナが引き継ぎ、2005年からワイン造りをスタート。歴史は浅いが2009年は当たり年で素晴らしいワインが出来た。

◆Savigny le Beaune 1er Serpentiers 1997 / Maurice Ecard et Fils
個人的にお気に入りのドメーヌで、引退した今、希少な一本となった。テロワールの強い風味を持つサヴィニー・レ・ボーヌ村の中で、最も香り高く繊細な一級畑。17年の熟成を経てようやく、その個性を発揮。

◆ Hospices de Beaune Beaune Cuvee Maurice Drouhin 1983
1443年創設の「オスピス・ド・ボーヌ」は、病人や貧しい人のための慈善施療院だった。創設者である大法官ニコラ・ロランとその妻が、寄付したぶどう畑から出来たワインを販売し運営費に充てた。1851年からは今日のオークション形式に変わり、慈善事業だけではなく、その年のワインの出来を見極める行事でもある。
こうした特殊な競売ワインのため割高だったが、1977年にアンドレ・ポルシュレが醸造長に就いてからは、目覚しく品質が向上(1987年にドメーヌ・ルロワに移るが)。ラベルはオスピス特有のデザインで、各寄進者ごとのキュベになっている。

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シェ・ヒロの料理も大満足でした。次回もどうぞお楽しみに!
なお、開催のお知らせメールをご希望の方は、下記までお気軽ご連絡くださいませ。
yuri*vingohan.com(*を@に変えて送信してください)

皆さまのご参加を心よりお待ちしております!


 

先日、Vin Gohan 『熟成ナパと山カベ』 を神田「ヴィラドゥーエ」で開催させていただきました。

【ワインリスト】 定員11名、会費21,000円
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◇RIDGE Chardonnay Napa Valley 1986
◆RIDGE Monte Bello 1999
◆PAHLMEYER Proprietary Red 1991
◆MOUNT EDEN Cabernet Sauvignon Santa Cruz Moutains 1992
◆CHATEAU MONTELENA Cabernet Sauvignon Estate 1990
◆STAG'S LEAP Cask 23 1991
●RIDGE Geyserville Zinfandel 1994

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お店には一ヶ月前に預かってもらい、オリ下げも十分にしていただきました。当日の昼には抜栓しておいてもらい、サーブの直前に、赤は全てデキャンティングしていただきました。

おかげで、グラスに注いで3口目ぐらいでもうピークに達する状態にまで開いており、最高の状態で比較できたのではないかと、皆さんの喜ぶお顔を見て思いました。

さすがワイン会を数多くこなしてらっしゃるヴィラドゥーエさん、シャルドネの古酒に至るまで供出温度も完璧。料理は奇をてらったものではなく、ワインをそっと引き立ててくれるものだから、いつもリラックスしてワインに集中できます。

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さて、今回の主役であるリッジ・モンテベッロを先にお出ししたのは、若く長熟なのでゆっくり変化を見守っていただくため。パルメイヤーも同時に注いだのですが、それを飲み終わる頃だったでしょうか、強い収斂性しか感じなかったリッジが鎧を脱ぎ、驚くほど劇的に変身したのです。

ナパのパルメイヤーは、細見で繊細でボルドー的なスタイルの1991年。輪郭はか細いけれど、どこまでシルキーで優しく撫でるように口内を広がる。ブルゴーニュ好きにウケたほど心地良いワインでしたが、山カベ(サンタクルーズマウンテン)のモンテベロ1999を飲んだ瞬間、ナパヴァレーのワインがいかに舌に温かいかがよく分かりました。

モンテベロはひんやり冷たい眼差し、見事な骨格と体躯で毅然と佇む様はまさにボルドーグランヴァン。いや、甘味と旨味もしっかり乗ってるので、当たり年のボルドーしか太刀打ちできないかも。そしてグラス一杯のワイン会で、このポテンシャルをしっかと見届けられて本当に良かった。抜栓のタイミング大事。

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同じく山カベのマウントエデン1992はリッジと味覚の方向性はよく似ており、より濃密で大きく感じました。リッジも立体的でしたが、こちらはもう球体の域。ウマ過ぎてヨダレが止まらない。 今まさに飲み頃絶頂。

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今回、山カベの素晴らしさを再確認したと同時に、シャトー・モンテレーナの底力を見ました。このワインはけして大柄ではないけれど、自根のせいか、かなり長熟で、時間内に開いたことがなかったのですが、ついに正体を現しました。

舌に暑さを感じるけれど、重心が低く、底からぐおーんっと突き上げる凄いエネルギー。アーシーでワイルドで噛みたくなるほど美味い液体。ああ、モンテリーナ買いまくろう。

モンテリーナに対抗するにはスタッグスリープの筋肉質な「SLV」にすべきでしたが手に入らず「Cask23」を。このワインは、男性的な「SLV」と、女性的な「Fay」の最上区画をブレンドした同社最高銘柄ですが、ヴィンテージも相まってチャーミングで甘やか。後半には酸も上がってきて表情豊かに。

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今回お好きな二本を皆さんに伺ったところ、まず口を揃えてモンテリーナ。あと一本はリッジとマウントエデンに分かれました。意見が分かれるということは、良い会だったということ。どこまでも前向きな主催者なのでした。ちなみに、単一畑でないシャルドネも、樹齢130年のジンファンデルも良い熟成をしており、自分の中でカリフォルニアにおけるリッジの存在がさらに強固なものとなりました。

ヴィラ ドゥーエ 
TEL 03-5298-1453
東京都千代田区鍛冶町1-9-11 石川COビル B1F







 

 

連休だった先週末、世界各地から500のブランドを集めた業界関係者対象の見本市『ヴィネクスポ・ニッポン』がザ・プリンス・パークタワー東京で開催されたので、初日に行ってきました。

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ワイン愛好家のためにエノテカと伊勢丹でも催しがあり、夜はガラディナーやグラン・ヴァンのチャリティー・オークションも開催されたようです。

身に着けたいほど美しいシャトー・デスクランのロゼ。もう少し安ければねぇ・・・。
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ネルトのシャトー・ヌフ・デュ・パプ キュヴェ・カデットは好きなワインで、2009は意外にも、赤系果実を感じとれるエレガントな出来。複雑、エキゾチックでスモーキー、今からでも十分楽しめます。

コマーシャル・ディレクターのクリストフ・ブリスティエル氏と。

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ドウロ・ボーイズの一人「キンタ・ド・ヴァレ・メアン」のモダンなトゥーリガ・ナショナルにうっとり(真ん中)。

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サルディーニャの「CALASETTA」も面白い。どれもカリニャーノ100%なのに、全くスタイルの違う4タイプのワイン。一番個性的なTupeiが気に入りました。

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ドイツのブースでは赤も素晴らしかったのですが、一番目を引いたのは「フックス醸造所」のシャルドネ中辛口(アルコール12%, 残留糖度11.7%, 酸度9g/l )。これが家の冷蔵庫にあったら夕食がどんなに楽しいことか!

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シャトー・クーティネルのフロントン(ネグレット100%)も食事向きですよ。焼いた肉が欲しくなる、甘く豊富なタンニン分。

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ヤラ・イエリングはボルドーブレンドが秀逸ですが、ピノもすごいんですね。アニスが香る滑らかな口当たりはエロくて、濃いですが染み入るような深みもありインパクト大。

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この日出ていたブルゴーニュより良かったのが「ソラリス 信州シャルドネ・マセラシオン・リミテ 2010」3,500円。この格上の「信州シャルドネ 樽仕込2013」は、若いエールダルジャンのように樽香が支配的で、むしろステンレスで醸造するこのワインの方がフレッシュでいい。赤のユヴェンタも素晴らしい。

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ラギオールのダブルアクション(試作品)。商品化してほしいですね。

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お気に入り「マイィ」のブラン・ド・ノワールにもご挨拶。最高級レンジの「レ・エシャンソン2004」はヴィンテージを疑ってしまう複雑味とスケール。「キュベ・ラントンポレル2008」はコクをしっかり備えながら、グラスから弾け出す華やかなトロピカルフルーツに、思わずジャン・フランソワ・プレオ社長と握手。

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その後、大阪行きの新幹線に乗り込み、一週間の東京滞在は慌ただしく過ぎ去ったのでした。






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