ウクレレの練習に熱が入り過ぎ、ついに人差し指が腱鞘炎になってしまいました。何かと怪我の絶えない人生。ちなみに、いつぞやのガラスの切りキズは、小林製薬「アットノン」を塗り続け、ほぼ目立たなくなりました。恥ずかしい過去もアットノンで消せたらいいのですが。

慢性化しないよう四日ほどウクレレを断ち、仕方なくウロチョロ外出する日々。ある日友人と銀座でランチしようということになり、気になっていた「鮨 太一」に行ってきました。

外堀通りから一本入った路地裏に、真昼間でも見逃しそうなほどひっそり隠れています。店主の目配りが隅々まで行き届いた8席の小綺麗な店内には、女性一人客の姿もありました。

鮨ランチを体験するのは「水谷」「さいとう」に次いで三軒目。「太一」のランチはなんと2500円からと手頃。私たちは11貫5000円のコースを日本酒2合と共に、一時間ほどゆっくり堪能しました。

2014-06-05

真子鰈
中トロ

小肌
ヅケ
鳥貝


穴子
車海老
雲丹の巻物
玉子

芯を少し残したシャリは、赤酢を効かせながら、酸味と塩気がまろやかで良い塩梅。ねっとりとした真子鰈、肉厚新鮮な鳥貝、滑らかな艶肌の鰹と、素晴らしい目利きの旬に感動。小肌とヅケもシャリとの一体感が見事。なかでも特に感動したのが、私が本来あまり得意でない、蛤、穴子、玉子でした。

東京に住んで約20年、鮨、蕎麦、天ぷらと、江戸の味にどっぷり染まった私ですが、砂糖の食文化だけは未だに馴染めずにいて、蕎麦屋でも玉子焼きはワガママを言って特注してもらったり、いつも迷惑をかけています。

ここの蛤は甘く煮付けておらず、絶妙に火通した、ふんわり柔らかな蛤を、さっぱり塩で食べさせます。九州産の穴子も最小限のツメが利いて軽やかでいい。素材の味を前面に甘さを控えた硬めの玉子は賛否分かれると思いますが、私は一口食べて気に入り、「お酒が相当お好きなのでは?」と思わずご主人に訊くと、「はい、大好きです。うちは酒飲みのためにあるような鮨屋で、ツマミが自慢です」と。

やはり。白隠正宗 誉富士純米酒とか、お酒のセンスも良いはずだわ。

ご主人は男前ですが、無神経な客には厳しそうな強面の職人さんで、最初は正直ビビります。けれど、二言、三言交わすうちに、気概と男気ある人柄、お弟子さんへの厳しくも深い親心がひしひしと伝わり、おまけに酒飲みときた。ついに見つけたかも、自分の求めていた鮨屋。夜の再訪が楽しみでなりません。
※文末にオマケあり。

鮨 太一 
TEL 03-3573-7222
東京都中央区銀座6-4-13 浅黄ビル2F

<オマケ>
こんなに酒飲みじゃなかった20代の頃によく行った、有楽町・交通会館の地下にある甘味処「おかめ」に、久々にふらっと一人で寄ってみた。金時豆を使った名物「蔵王あんみつ」を注文。何年経っても変わらぬ美味しさに感動したけれど、半分でギブアップ。やっぱりお酒で糖分を摂取した日はよくばっちゃいけませんね。銀ブラに疲れた時は是非どうぞ。ちなみに銀ブラは、「銀座でブラジルコーヒーを飲む」のが本当の語源らしいですね、ビックリ。

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